身体評価の原点について

では、評価の基本
「PART1」です。

クリニックの臨床では、
限られた時間内で初期評価と治療を
行わなければなりません。

新患さんに対して費やせる時間は
だいたい1単位(20分)か
2単位(40分)ではないでしょうか。

あれもこれもと焦りながら評価をしていたら、
あっという間に既定の時間。。。

「ではまた次回に・・・」

と、病態説明だけでなく
治療もまともにできずに終わってしまう・・・

こんな展開は辛いですよね。。。

評価したものの結局何なのか・・・
よくわからない。。。
こんな展開、
あるのではないでしょうか?

このような展開では、
あなただけではなく、患者さんも辛いです。

でも、現実は
限られた時間で
なんとかしなければなりません。

状況を改善するには、
痛みの根本原因まで最短距離でたどり着く。
そんな評価をしなければなりません。

「あそこかな?」
「こっちかな?」
こんな風に、

とりあえず悪そうなところを
あっちこっち診ていく。

そんな場当たり的な評価ではなく、

この患者さんの場合、
受傷機転や痛みの箇所から考えれば、
ここから評価するべきだ!

そして、

ここが〇〇ってことは、
こっちは△△じゃないかな?

と、根本原因まで順を追って
最短でたどりける「道筋」、
これがイメージできている必要があります。

でも、
診るべきポイントの道筋
そのイメージがわかない。。。
これが最初の関門ですよね。

臨床でありそうな例えで、、、

腰痛症状の患者さんが、
初診でいらっしゃいました。

ドクターからの申し送りを受け、
担当セラピストであるあなたは
いろいろと思いめぐらせます。

、、、腰痛

、、、、、、筋膜かな?

、、、あ、それとも仙腸関節??

 

あ、そういえば
姿勢と腰痛の関係が
あの本には書いてあったような。。。

あの有名な先生の本には、
運動連鎖について書いてあったな。。。

 

、、、

 

いざ心を決めて評価開始。

その中で、
先日セミナーで学んだ
仙腸関節の評価もしてみました。

 

ん?
これは寛骨に対して
前傾?後傾??

 

・・・

 

これ、、
仙腸関節の動きなのかな・・・

 

 

・・・・

 

 

・・・いったい
どういう状態なんだ??

 

 

 

・・・・・・そもそも
ちゃんと触れてんのかなぁ。。。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・

 

 

どうしよう・・・
よくわかんない。。。

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

、、じゃぁ
今度は筋膜連鎖的に・・・

 

はい、時間切れです。

この流れでは困りますよね。

完全に「迷子」状態です。

全く同じではなくとも、
似たような経験の一つや二つ、
あるのではないでしょうか。

この場合の問題点は、
何を・何のために評価すればよいのか
全くよくわからないまま、
とりあえず大事そうな部分を
何となくしか診ていないことです。

さっき例で出てきた
治療業界で有名な単語たち
筋膜
仙腸関節
運動連鎖
いずれにも立派な理論が背景にはあります。

その理論上、
目の前の患者さんの評価や治療に
用いるのが
適切と判断できた。
だから、
各理論に基づいた
評価や治療を
実践してみるわけです。

でも、
その理論的背景を
しっかり理解した上で実施しないと、
わけのわからないことが起こります。

とりあえず
最近学んだ方法や、
都合よく痛みと関連付けられそうな
便利な考え方を使ってみて、
その理屈に無理やり
患者さんを
当てはめてしまっているだけです。

このような評価でのタイムロスは、
貴重な治療時間を奪います。

ただ単に
「そこが大事って聞いてるし、、、」
そんな程度の理解では、
臨床で使い物になるわけがありません。
(よくある例としては「筋膜」「関節の副運動」「運動連鎖」「仙腸関節」「筋の滑走性」「胸郭」「呼吸」「体幹」「アライメント」などなど)

いつまで経っても何が大事なのかわからず、
評価の「道筋」が見えない。。。

そんな状態が続いていると、
臨床で悩んでしまうわけです。

では、何が大事なのか?

ゴールまでの「道筋」を
明確にするためには何が必要か?

それは「なぜ痛いのかを考える」
これにつきます。

そんな当たり前のこと?
って思いました??

でも、
その当たり前を考えられてないから
あなたは臨床で困っているのです。

この根本的で当たり前すぎることを
しっかり自分で考える。

ついつい、
有名な先生や
諸先輩方の考えから
やり方を見つけ出そうしていませんか?

答えが見つからずに悩んでいるときは、
ちょうどよさそうな答えが
欲しくなってしまうものです。

患者さんには、痛みから楽になって欲しい。

でも同時に、
自分も悩みから楽になりたい。
そんなときに、
腰痛改善のポイントはこれだ!とか
膝の痛みにはこれが大事!!みたいに、
誰かが考えてくれた「便利な答え」で
解決したくなってしまうものです。

でも、

他人が用意した答えは、
あなたの目の前にいる患者さんに
最適な方法ではないことが多々あります。

それはなぜか?

それは、
あなたの目の前の患者さんを
1度も診たことが無い人が
考えている方法だからです。

もしも
同業でない友達から、
「自分の母親が腰痛なんだけど、
どうしたらいいかな?」
と相談されたら、どう答えますか?

一度たりとも直接診たことがないのに、
それなら〇〇がいいよ!と気軽に言えますか?

こういう状態なら〇〇、
ああいう感じなら▢▢、
でも、こうなら△△、

と思うのが普通じゃないでしょうか?

同じことです。

その本の著者は、
あなたの諸先輩方は、
あなたの患者さんのことを
一度も診ていません。

他人に答えを求めても、
他人が作った「答えのようなもの」は、
目の前の患者さんにとって
絶対的な方法ではありません。

何度も言いますが、
目の前の患者さんを診たことが無い人が作った
「答えのようなもの」だからです。

つまり、
ちゃんとした「答え」が欲しいのであれば、
自分で考えて「答え」を出すしかありません。

実際に患者さんと接していて、
誰よりも患者さんの情報を持っている
そんなあなた自身が、
自分の頭で考え抜いて、
患者さんに必要な答えを出さなければなりません。

その第一歩として、
先ほどお伝えした「なぜ痛いのかを考える」
これが必要です。

考えることを放棄せず、
「なぜ痛いのか?」をしっかり考え抜くこと。

これが最初のポイントです。

自信の無い方、
迷いがたくさんの方は、
今一度
この原点から考えてみてはいかがでしょうか?

次回からは、
臨床において自分自身で答えを出すために
押さえておきたい考え方を、
どんどんご紹介していきます。

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The workshop on physical exercise
代表:三井祐紀