組織損傷と「力」の関係【その2】

さて、いよいよ終盤。
評価の基本「 PART10」です。

前回は「内力」についてお伝えしました。

整形外科疾患の根本原因は、
「3つの外力」と「6つの内力」
これで全て説明することができます。

では、
まだ説明できていない「6つの内力」について
お伝えしていきます。

まず
前回の例で挙げた「筋収縮による内力」

脛骨粗面、肘の内側・外側上顆などは
この内力によって負担がかかる部位として有名です。

筋収縮という内力によって、
筋付着部の
組織が傷ついた結果として
痛みが発生しているのです。

このような「内力」は、
言い換えれば「引っ張りによる力」と言えます。

「引っ張りによる力」=「伸張力」
これが
「6つの内力」のうちの1つです。

 

では、その他の「内力」を紹介します。

例えば、インピンジメント。

からだの中の何かによって挟み込まれ、
挟み込まれた組織が傷ついてしまって、
痛みが生じている状態です。

このような、体内の何かと何かによって
挟みこまれてしまったことで生じる「力」は「内力」です。

この「内力」は、
言い換えれば「圧縮力」「圧迫」ですね。

「圧迫する力」
この内力が発生したことで組織損傷が生じて
痛みが発生する例としては、
椎間板ヘルニアや椎体圧迫骨折があります。

 

組織を傷つける「内力」
他にもあります。

「剪断力」
「曲げる力」
「ねじる力」
「摩擦力」
これら4つが、残りの内力です。

 

「剪断」は有名ですね。
脊椎分離症・すべり症
この原因となる「内力」です。

「曲げ」「ねじれ」
この力による組織損傷は骨折に多いですね。

「摩擦」
腸脛靭帯炎
上腕二頭筋長頭腱炎など
これらの原因となる「力」です。

これで「6つの内力」は全てです。

1回まとめます。

組織を傷つける「内力」は6つ。
「引っ張り」
「圧縮(圧迫)」
「剪断」
「曲げ」
「ねじれ」
「摩擦」
以上です。

この6つの内力が、
組織を直接傷つけている「力」です。

 

これらの6つの内力が
単独、もしくは複合的にかかることで、
からだの組織は傷つきます。
そして、痛みを引き起こしているのです。

ちなみに、
複合的な疾患例としては
ACL損傷。

一般論として、
「剪断」「ねじれ」「引っ張り」
これらの内力が合わさってしまい、
ACLの損傷が生じています。

ACL損傷だけでなく、
関節内骨折も加われば、
受傷機転において
「圧縮」という内力もかかってしまったことも考えられます。

 

内力についてまとめます。

「内力」は6つ

「引っ張り」
「圧縮」
「剪断」
「曲げ」
「ねじれ」
「摩擦」

これらの6つの力が、
組織を直接損傷する力となっています。

 

これでようやく、
痛みの原因を自分の頭で考える材料が揃いました。

患者さんの患部は、なぜ痛いのか?

それは、

3つの外力がからだの外からかかってきて、
6つの内力がからだの中で発生して、
患部の組織が傷ついてしまい、
組織損傷の結果として痛みが生じている。
ということなんです。

これを前提にして落ち着いて考えれば、
それに続く評価方法は、必然的に決まるのです。

新患の方がいらしても慌てなくていいんです。

迷いながら評価しなくていいんです。

あっちこっち評価しなくていいんです。

評価ポイントは「力を診る」です。
どんな「外力」が身体にかかったのか?
どんな「内力」が患部に発生したのか?
これを考えればいいだけです。

次回は、
内力と即時効果の関連性
そして、「外力」「内力」の総まとめ

さらには、どのように臨床へ応用していくか
これらを紹介します。
ぜひ最後までお読みください。

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The workshop on physical exercise
代表:三井祐紀