こんな風に評価をごまかしてはダメですよ~

では、評価の基本
「 PART4」です。

今回は臨床で陥りがちなパターンを例にして、
前回にお伝えした「力を診る」ということの
大まかな流れを説明致します。

では、始めていきましょう。

ある新患の方が腰痛症状でいらっしゃいました。

仙腸関節の可動性には様々な見解がありますが、
今回のこれから挙げる例では
「動く」ということを、仮に正常とします。
そして、
あなたの目の前の新規患者さんは、
仙腸関節に本来の動きが出おらず、
動かない状態だったとします。 

この段階で

おっ!!
仙腸関節が動いてない!

今回の腰痛は、
仙腸関節の動きが無いから
何かしらの負担がかかって痛いのでは!?
・・・・・
・・・
・・きっとそうだ。

じゃぁ
仙腸関節に可動性を出すための治療をしよう。

と思ってしまったら、まずいですよ。

こんなリハビリは、
ただ単に
自分に都合が良いだけで、
そういうことにしておいたら
その場を楽に乗り切れるというだけです。

はっきり言って、妄想に近い評価です。

動かないということがわかっただけの段階では、
仙腸関節が動かない=痛い原因
という
結論は出ないはずです。

この段階で言えることは、
何らかの力がかかってしまって
この患者さんは
腰が痛いはずなんだけど、
仙腸関節を評価してみたら動かなかった。
という1つの事実を見つけただけです。

結論を出すためにさらにやるべきことは、
組織損傷の原因となった「力」を
ちゃんと明確にするために、
もっと多くの情報を集めることです。

現病歴や生活習慣などを
問診することも必要です。

患者さんの日常生活や
受傷機転で患部にかかった力を推測して、
初期評価で見つけ出した身体評価結果と
統合して考えます。

その結果、
仙腸関節が動かないから
患部の組織損傷を引き起こす力が発生した。
という結論が出せれば、
仙腸関節が動かないという状態を
何とかするための治療をしなければならないわけです。

ご理解頂けたでしょうか?

腰が痛い患者さん

仙腸関節かな?

評価してみる

動かない!

仙腸関節が動かない
ということが判明しただけで、
ここが動かないから痛いんだ!
と結論付けられたら、とても楽ですよね。

なんか
細かいところ診てます的な
治療家っぽい雰囲気もありますしね。

でも、
こんな結論の出し方は全くの当てずっぽうです。

「仙腸関節の可動性」という便利な方法論に、
患者さんを当てはめているだけです。

何度も言いますが、
クリニックにいらっしゃる患者さんの痛みには、
必ず何らかの「力」が加わっています。

そのことを忘れず、
「力を診る」ことをしましょう。

有名な方法論の良いとこ取りだけで
解決しようとすることはやめましょう。

あくまでも、評価ポイントは
「力を診る」ということです。

次回は、
臨床で「力が診れる」ようになり、
そして、自分の頭で判断できるようになる。
その為に必要な知識を掘り下げていきます。

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The workshop on physical exercise
代表:三井祐紀