筋膜の癒着という状態

こんにちは。代表の三井祐紀です。
今回は「筋膜の癒着」という状態について、思うところを。。

癒着と聞くと、どう思いますか?
「出てほしい動きが出なくなる」
「痛みの元となる」
そんなイメージではないでしょうか?

癒着が痛みの原因となっていそう。
そんなイメージに繋がりやすいので、便利な言葉ですよね。
患者さんからも理解を得られやすいです。

患者さんの理解を得られること。
これはこれで大事なことです。
コミュニケーション・インフォームドコンセントは、リハビリにおいてとても大事なことですから。

「癒着」
便利な言葉ですよね。
でも、便利な言葉であるが故に、その言葉の力に依存していませんか?というのが、今回の思うところです。

筋膜リリースなど、各種手技自体を否定はしません。
でも、「癒着」という言葉を多用して、臨床での多くの問題を解決しようとしていたら、それは違うと思います。
ましてや、
その「癒着」に対して、筋膜リリース的な手技だけで終わりにしていたら、それは絶対に違うと私は思います。

「からだの中」という見えない世界は、様々な状況証拠から推測して、イメージするしかありません。
臨床では直接見ることのできない組織「筋膜」ですが、数多くのご献体の解剖と研究を経て、筋膜に関する様々な知識が増えました。
最近では「筋膜の癒着がよくない」ということは、専門家に限らず、一般の方でも知っているくらいです。

患者さんから理解を得やすい「癒着」という言葉を使いたい気持ちと、治療家として「癒着」にアプローチしたい思いは理解できます。
でも、一度よく考えてください。

「なんで癒着したんですか?」
「癒着が取れれば、本当に患者さんは良くなるんですか?」
「そもそも、本当にそこで癒着は起きているのですか?」

本来は癒着していないはずの組織同士が癒着する。
こんなことは、何かしらの原因がなければ起こりえない現象です。
だって、本来は癒着するはずがないわけです。
異常事態が何にもないのに、勝手に癒着し始めるなんてことはないはずです。
何かしらの原因があって、結果として「癒着」という異常現象が起きているはずです。

何らかの評価によって癒着を鑑別することができて、あなたはその癒着が治療対象であると確信したとします。
その改善手段は、手技でいいですか?
それしか方法はありませんか?
手技だけで終わりにしていませんか?

手技によって、癒着した組織同士の滑走をみごとに改善してあげたとしても、それでおしまいにしていたら再発しますよ?
だって癒着は、普段まったく動きが生じていない結果として起きた現象ですから。

たとえ話ですが、
歯磨きをしない人の虫歯の治療だけしても、歯磨きをすることを教えなければ虫歯は何度でも再発します。

組織間の動きがそもそも出ていない人の癒着を治しても、組織間の動きを出すためのことを教えなければ何度でも再発します。

筋膜の癒着という異常現象にこそ、運動が必要です。
癒着部位の動きが少なくなってしまった原因を解明して、本来あるはずの正しい動きを導き出さなければなりません。
本来の動きが出始めれば、きっと癒着はなくなります。
再癒着もしないと思います。

「癒着」という便利な言葉に依存して、「癒着を直す」という治療家っぽいことをやって自己満足して、本来やるべきことを見失ってはいけないと考えています。
そもそも私的には、筋膜の癒着が手技で何とかなるなんて思ってません。
みかんの皮をむくのと同じようなイメージを持っていたら、はっきり言ってヤバいですよ。

The workshop on physical exercise
代表 三井祐紀

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