整形外科クリニックにおける手技

手技
世の中には数えきれないほどの手技があると思います。
様々な流派。
様々なやり方。
様々な効果。
長い歴史のある方法。
最新の方法。

きっと、魔法のように効果を出せるものがあるのかもしれません。
正直、私はそんな魔法は持ち合わせていません。
こうやって勉強会をやるくらいなので、何かしらの魔法を持っているように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
できることは力学・運動学に基づいた「派手さのない地味な運動療法」です。

率直に申し上げて、整形外科クリニックにいらっしゃる患者さんに対しては、「やってあげる治療」よりも「やってもらう治療」のほうが重要です。

何故か?

それは、患者さんの「習慣」が痛みの原因を作り出しているからです。

虫歯の治療に置き換えて説明します。
虫歯は歯を削って、詰め物をすれば治ります。
でも、そもそも何故、虫歯は出来たでしょうか?
おそらく、歯の磨き方が悪かったんでしょう。
では、歯の磨き方を教えなかったらどうなるでしょうか?
再発しませんか?

整形外科にいらっしゃる患者さんの痛み。
素晴らしい手技で痛みが和らいだとします。
でも、そもそも何故、痛みは生じたのでしょうか?
おそらく、からだの支え方・動かし方が悪かったんでしょう。
では、からだの支え方・動かし方を教えなかったらどうなるでしょうか?
再発しませんか?

「なんで身体の支え方や動かし方が原因なの?」って思いました?
「〇〇が硬いからじゃないの?」
「▢▢関節の動きが少ないからじゃないの?」
「だから他動的にやってあげるんじゃないの?」
って思いました?

硬いんじゃないです。
勝手に硬くなったんじゃなくて、患者さんが自分で硬くさせたんです。

動きが少ないんじゃないです。
勝手に動きが少なくなったんじゃなくて、患者さんが自分で動かさないから動かなくなったんです。

勝手になったなら、他動的にやってあげれば十分かもしれません。
でも、その硬さや動きの少なさは、勝手になったんじゃないです。
普段の患者さんの過ごし方がそうさせたんです。
となれば、やってあげるだけじゃ足りなくないですか??
他動的にやってあげて理想的な状態になっても、たぶん数日または数時間で元に戻してしまいますよ?
硬くする・動かなくする過ごし方を、患者さんが続けている限りは。

手技での治療、すなわち「やってあげる治療」
これだけでは、整形外科クリニックの治療としては不十分です。

「やってもらう治療」を通じて、患者さんの習慣を変える。
これも必要だと思います。

整形外科クリニックにおける手技は、リハビリの全てではありません。
あくまでも「一要素」です。
理学療法士となって、右も左もよく分からない時期は、魔法のような手技に惹かれる気持ちはわかります。
しかし、学生時代に学んだ基礎知識を活かした「地道な治療」も必要です。
むしろ、根本治療を目指すのであれば、地道な治療のほうがずっと大事だと思います。

The workshop on physical exercise
代表 三井祐紀

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